<ネパール初の国勢調査でキリスト者1%増>
(バチカン・ラジオ)2012年11月27日:
ネパールのキリスト者数が上昇している。マオイストが主導する政府が11月28日に発表した最新の国勢調査によると、人口2,600万人の同国でキリスト者数は、10年間に0.4%から1.4%に増えた。ヒンズー教徒が80%から81%に増え、イスラム教徒は4.4%でそのまま、仏教徒は10.7%から9%に減少した。調査結果を公表したネパールのバブラム・バッタライ首相は、いかなる宗教も数値の結果から特権を引き出すべきではないと演説で述べている。
<ナイジェリアのキリスト者襲撃>
ナイジェリア北部ジャージJajiの軍駐留施設の教会で、自爆攻撃による二台の自動車爆発で、少なくとも11人が死亡、数十人が負傷した。日曜日ごとに絶えないこれらの惨劇は、イスラム原理主義グループ「ボコ・ハラム」の延々たるテロ主導により、ナイジェリア北部で繰り返されている。今回の標的は、カドゥナ州ジャージの兵舎にある聖アンドリュー・プロテスタント教会。報告によると、犠牲者の大半は教会の聖歌隊員である。
<宗教の冒瀆、背教、名誉毀損を罰する法律の拡大>
(pewforum.org)2012年11月21日:
最近のいくつかの事件で、神や神性を蔑ろにする意見や行動などの冒?行為を禁止する法律や政策がはたらいていることに、国際的な注目が集まっている。今年夏に有名となったケースで言えば、パキスタンで14歳のクリスチャンの少女が、コーランのページを燃やしたとして告発され逮捕、数週間拘留となった例がある。隣国インドでは、宗教懐疑派として有名なある男性が、ムンバイのカトリック信者共同体でその霊験あらたかさゆえに崇敬されるイエス像を偽物であると主張したため、彼に冒?罪の非難が向けられている。報告によると、男は迫害を避けてヨーロッパに滞在中。また、ギリシャでは、フェイス・ブック上で正教会のキリスト教修道士への風刺的な言及を掲載した男性が逮捕され、冒瀆罪で起訴されている。
ピュー研究センターの「宗教と公共生活に関するフォーラム」による新たな分析は、2011年世界の国と地域の約半数(47%)が、冒瀆、背教(信仰放棄)や名誉毀損(特定宗教や宗教一般への誹謗中傷または批判)を罰する法律や政策をもつ。調査された198国のうち、32国(16%)に対冒?法が、20国(10%)に背教処罰法があり、また、87国(44%)で、宗教の誹謗中傷(宗教団体のメンバーに対する嫌悪の発言を含む)を禁じる法律が存在する。
<イランのキリスト教信者の逮捕が増加している>
(persecution.org)2012年11月29日
イラン当局がキリスト者をその信仰のゆえに逮捕したという報告が流れ込んでいるが、これは、イスラム国家は国内の教会を標的にして大規模なキャンペーンを行われていることを示している。イラン警察の情報システム犯罪部の職員が、ゴレスタン州の首都ゴルガンの北部の都市で、キリスト教へ改宗したある女性の自宅を家宅捜索したと、「モハバト・ニュースMohabat News」が11月16日に報じた。また同紙は、10月にイランの教会の7人のキリスト者が、ファールス州のある都市の保安員による家宅捜索中に拘留されたと、報じている。千もの人々が自分の家を追われている。
<CRS、および、カリタス・フィリピン、台風被災者数千人への救援物資供給を急ぐ>
ワシントン(CNS)2012年12月5日: フィリピンで何千もの家族が避難所にとどまる中、カトリック・レリーフ・サービスとカリタス・フィリピンは、強力な台風ボファの影響を受けたミンダナオ島の東区域に、家庭用品や水の供給を急いでいる。
同国最南端の島に12月4日上陸した台風は、時速120マイルの風と豪雨をもたらし、嵐で少なくとも300人の死者と数百人以上の行方不明者が出たと報告されている。
<教皇、世界諸国に「道徳的権力」としてのあり方を呼びかける>
バチカン市国(CNS)2012年12月3日: 地球規模の平和と正義を確保する道として、二人の教皇が心に思い描いていた世界的権威とは、超大国ではなく、第一に、限定された裁判権をもつ道徳的権力であっただろう、と教皇ベネディクト十六世は、正義と平和のための教皇庁顧問会(12月3日)で述べている。性と生殖の権利に関する快楽主義的かつ利己的なイデオロギーや、政治を逸脱して実体経済を分解する無秩序な金融資本主義のイデオロギーといった「新たなイデオロギー」は、労働者と製品を「副」産物と見立てることに貢献し、社会の自然基盤、特に家族を弱体化させていると、教皇は述べる。また、演説の中で教皇は、福者ヨハネ二十三世教皇が、「人類家族の共通善」に奉仕する、「対応する権限をもつ国際社会の建設」を求めていたことを思いおこす。さらにベネディクト十六世は、自身の回勅「真理に根ざした愛」(Caritas in Veritate, 2009)を引用しており、その中で、国際協力、平和、環境保護を確保するための「真の世界的政治権威」の必要性を訴えている。
アルン デソーザ(イエズス会司祭)
村山 兵衛(イエズス会神学生)