イエズス会
社会司牧センターについて

信仰に基づく 社会正義と和解の促進

カトリック教会およびイエズス会の内と外に向けて、
社会使徒職についての情報と協働を結びつけるコミュニケーションと
ネットワークづくりのセンターとしての役割をめざします。

教会の社会使徒職

社会の現実のただ中で、イエス・キリストが求めた「神の国」、すなわちいつくしみとゆるしに基づく共同体、多様性を認め合う共生社会の実現を人々と共にめざすことです。

現代のカトリック教会

とりわけ人間と「神とのかかわり」「隣人とのかかわり」「大地とのかかわり」および「自己自身のかかわり」という全方位的な「和解」における「人間の総合的な発展(Integral Human Development)」を強調します。

イエズス会社会司牧センターは、こうした理念の実現に向けて、
教会内外のさまざまな組織・グループ・
イエズス会をはじめとする修道会・市民運動などとかかわりつつ、

キリスト教信仰と社会を結ぶ分析と研究、
啓蒙(セミナー開催や出版)、実践の諸活動に取り組みます。

イエズス会社会司牧センターの特徴

社会正義」と

“Option for the Poor”

現代日本にただよう社会意識の減退や「政治アレルギー」、人々が自分の世界やその問題に閉じこもる風潮に対して、状況に応じつつ「信仰に基づく正義の促進」への姿勢をはっきりと示します。

とりわけ、現代の民族大移動ともいいうる難民の人々、「貧困」に追いつめられる子どもや学生、ワーキングプアに苦しみ日本社会の周辺に追いやられた人々の労働・医療・人権などの問題に取り組みます。

また、一部の持てる者たちの利益のために多くの人々が支配される経済成長至上の反福音的グローバル化やナショナリズムの渦とその結果であるテロや治安強化、社会全体の軍事化、言葉と思考の自由の制限などに対して、対話とつながり直し・社会的な包摂(Inclusion)・いのちの質(Quolity of Life)のためのアドボカシーを続けます。

霊的なアプローチ 

その際、イエズス会の社会使徒職独自の役割として、聖イグナチオ・デ・ロヨラの『霊操』の精神に基づく意識の糾明、共同識別の方法を強調します。

すなわち、社会の動きの奥底にあるものに注意を払いつつ、生きた現実との対話と共感能力を育み、神から引き離す悪を識別する社会的霊性、およびエコロジー霊性を深めます。

連携とネットワーク

社会において苦しむ人々の出会いとかかわりの具体的な場となることをめざします。

とりわけ青少年、問題意識を共有する市民運動、教会とイエズス会の各使徒職に、社会的次元を意識化するための学習と寄り合いの場を提供します。

イエズス会社会司牧センターの概要

カトリックの国際団体であるイエズス会は、日本で教育事業や教会運営を行っている。そのメンバーには日本人の他20か国の外国籍の会員がいる。そして学校や教会に加えて、社会問題を専門的に取り扱う4つほどのセンターも運営している。その一つに東京の「社会司牧センター」がある。その他に、大阪釜ヶ崎の「旅路の里」や下関の「労働教育センター」、そして上智大学内の「グローバル・コンサーン研究所」というセンターもある。

1962年~65年に世界のカトリック教会は、第二バチカン公会議を開き、信仰と社会正義を結びつけ、社会問題に積極的に取り組むための新しい体制を取ることを決めた。イエズス会社会司牧センターもそうした取り組みの一つとして生まれたもので、現在日本のイエズス会の社会問題担当窓口となっている。事務所は東京・四ツ谷駅の直ぐ近くにあるカトリック麹町(聖イグナチオ)教会敷地内の岐部ホールにあり、4人のスタッフと数人のボランティアが働いている。

ソフィア通り

イエズス会社会司牧センターがある岐部修道院

イエズス会社会司牧センターエントランス

イエズス会社会司牧センターのエレベーターホール

イエズス会社会司牧センターのスタッフ
アルペなんみんセンターでは、毎週土曜日には近所の子どもたちと一緒に畑作業

イエズス会
社会司牧センターは
いかに働くか

1980年代以来の本センターの設立趣旨を引き継ぎ、市民運動や個人との福音的な協働(collaboration)、社会問題に関する福音的な視点とその分析についての啓蒙を、カトリック教会とイエズス会の国内ネットワーク(下関労働教育センター・釜ヶ崎「旅路の里」)、国際的ネットワーク(JCAP:イエズス会東アジア大洋州地区など)、大学研究所、中学・高等学校、小教区との連携(交流体験・ボランティア活動、出会いの場の提供、ネットワークづくり)のうちで実践します。

人が集まるロクス号。空に虹がかかる。

アクセス

イエズス会社会司牧センター

〒102-0083 東京都千代田区麹町6丁目5−1 岐部ホール 4階

四ツ谷駅から徒歩5分

TEL : 03-5215-1844

開所時間 9:00-17:00(土日祝休)

ネットワーク

イエズス会とは

イエズス会とは世界最大級のカトリック修道会の一つです。
スペイン人イグナチオ・デ・ロヨラによって1540年に設立されました。16~17世紀には中南米やアジア、アフリカへの宣教に大いに活躍しました。

日本には、フランシスコ・ザビエルらが1549年に来ましたが、その後キリシタン禁教で撤退。1908年に再び来日しました。1913年には上智大学を設立して教育活動にも乗り 出しています。

現在日本には25ヶ国あまりの約270人のイエズス会員がいて、上智大学・短大、エリザベト音楽大学、鎌倉・栄光学園、神戸・六甲学院、広島・広島学院、福岡・泰星学園などの学校、広島・山口地区のいくつかの教会などで働いています。日本の本部は東京・千代田区にあります。

イエズス会の社会使徒職

現代のイエズス会社会使徒職は、以下の問題を焦点としています。

グローバル化と周辺化

移民・難民

戦争・紛争

エコロジー

またイエズス会日本管区としては、以下の優先課題を、隣り合う東アジア諸国との連携、および他宗教との対話において深めます。

グローバル化とアジアの問題

グローバル化にさらされるアジアの政治・経済的文脈における、格差・暴力・貧困問題に対する正義の促進

theme
1

核の脅威と倫理

環境といのちに脅威を及ぼす原発・核兵器・軍産複合体についての倫理的考察

theme
2

平和への歴史と憲法

歴史認識と憲法問題への取り組みを通しての平和形成

theme
3

現代の生きづらさ

現代人の生きづらさへの取り組み

theme
4

その際、規範・基準となるのは以下の視点です。

規範・基準

  1. 福音と教皇・司教団の方針
  2. とりわけ人間の尊厳と人権・平和・環境・生命の倫理に関する第二バチカン公会議とカトリック教会の社会教説
  3. 聖イグナチオ・デ・ロヨラのインスピレーション(『イエズス会基本精神綱要』や第32総会「信仰の奉仕と正義の促進」の方針)
  4. 「貧しい人々の優先(Option for the Poor)」という近年のカトリック教会の姿勢