ギリッシュ サンチャゴ SJ
イエズス会ミャンマー地区長
ASEAN諸国は、「5つの合意」を一層精力的に達成するため、奮い立つことができるでしょう。すなわち、国内における暴力の即時停止、すべての利害関係者間の対話、特使の任命、ASEANによる人道支援、特使のミャンマー訪問によるすべての関係者との面談です。
多くの難民が、インドとタイに身の安全を求めようとしています。これらの国々に、難民を受け入れるよう圧力をかけます。迫害の恐れが十分にある緊急の事案が複数あり、第三国への亡命を必要としています。
イエズス会ミャンマー地区は、人権侵害を追跡し、考え得る対応についてより深い分析を行うため、その文書化と調査、およびトレーニングの能力を、慎重に強化したいと考えています。
私たちは、次の方々の提案を受け入れる用意があります。イエズス会総長と顧問団、JCAP議長および JCAPの上級長上、フィリピン管区長とその顧問たち。これは、ミャンマー地区がフィリピン管区に従属する地域であるからです。
緊急援助のための経済的支援、すなわち救援活動(食糧、水、避難所の資材、医薬品)、国内避難民の子どもたちのための教育活動、若者が自活するために必要な技能の訓練、世帯が生計を立てるためのプログラム。私たちミャンマー地区は、2022年の緊急支援に月額約30,000ドルを費やす予算を組みました。危機は、確実に2023年にも波及するでしょう。支援の手が徐々に差し伸べられています。関係地域に支援を提供するための道筋を付けるということが、活動の主な障害となっています。
イエズス会難民サービスミャンマーも最前線で活動し、紛争地帯における臨機応変なプログラムのやり繰りをするため、強固な緊急資金を必要としています。イエズス会難民サービスミャンマーの取り組みへの支援をするため、イエズス会難民サービスインターナショナルとイエズス会アジア太平洋地域難民サービスを歓迎します。
カリタスインターナショナルを介し、現地の教会(カリタスミャンマー)の人道支援活動への資金を増やします。
主要機関であるWFP(国連世界食糧計画)、UNDP(国連開発計画)、OCHA(国連人道問題調整事務所)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)への支援を促し、必要な大規模支援がミャンマーの人々に届けられるよう橋渡しをします。
イエズス会員と協力者の心にミャンマーを留め、祈ります。
解決を求めて
解決策を模索するという点で、すべての外部関係者は、外界との接触をはねつける不透明な軍事政権からほとんど何も獲得できていません。
海外の多くの機関に情報を提供しています。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(人権擁護活動を行うNGO)、バチカン国務省など。
チャールズ・マウン・ボ枢機卿のスピーチの準備を支援することは可能でしたが、目下のところ、侵略者である軍部とのコミュニケーションを保とうとしているため、枢機卿はより慎重になっています。それでもなお、ミャンマー国内で公に意見を表明することができる、非常に数少ない一人であり続けています。
マッテオ・ズッピ枢機卿は、対話と交渉の機会があれば助力を辞さない構えでしたが、ボ枢機卿はご自身の道を歩まれたいとのことであり、私たちは他の解決策を見出すことができませんでした。
未だに、現時点では、いかなる抗議活動も、情け容赦なく、組織的に弾圧されます。
他者と協働して危機を解決しようとする試み
緊急社会支援プログラムとは、実際には最前線で活動する無数のパートナーと共に、情報網を駆使することです。そのパートナーとは、修道士の共同体、教区司祭、国内避難民キャンプでボランティアをしている民間の協力者の方々、教区職員、カリタスミャンマー、イエズス会難民サービスミャンマーなどです。
教会は、個人および司教会議レベルで協力してきた私たちのパートナーです。かつては、教会の声は非常に強力でした。
クーデター後、教会は平和と和解を唱え、人道支援活動をはっきりと目に見える形で訴える主要な担い手です。私たちはあらゆる面で、個別に地元の教会指導者と共に働いてきました。
ローカルかつグローバルな視座で、志を共にする人々による個別の支援・擁護活動が続けられています。
現在のところ、ミャンマーの脆弱な教会を団結させ、命を救う支援の具とすることが、対話と対応の積み重ねを通じて私たちが果たす重要な役割です。
国家としてのミャンマーに必要なことはなんでしょうか?
3つの分野に国際的な配慮を: 平和を構築すること、人道的に差し迫った要請への強力な支援、何百万人もの失業者に就労の機会を生み出せる経済の再建。
多元的な危機へしっかりとしてまとまりのある対応:コロナ禍、クーデター、経済の崩壊、コミュニティを破壊する紛争、避難と危機。人道支援を行うNGOへのアクセス、支援資金の流通に対する制約の解除。
平和のための宗教間イニシアチブ。民主主義に立ち返り、不当に投獄された数千人を解放するという地域的圧力(ASEANにおけるイエズス会アジア太平洋地域協議会の役割)。
100万人近くが避難している紛争多発地域に、人道アクセスの差し迫った必要。
国際社会の介入により、市民、村落、生計手段や資産に対する、広範囲にわたる非人道的な攻撃を阻止すること。
統計データ: 国民の半数が貧困の状態にあり、命を救う必要のある800万人、日々の食糧が必要な80万人、避難民およそ100万人、攻撃された教会は14、縮小した経済、殺害された2千人、クーデター後に投獄されたおよそ2万人。甚大な被害をもたらした人災です。
可能であれば、国外(おそらくフィリピン)にミャンマーのための窓口を開くことで、イエズス会ミャンマー地区を通し、財政的に当地への援助を組織し支援することができるでしょう。