東京の人々の矛盾した叫び

安藤勇(移民デスク)

調和が伝統的な価値であると考えられている日本において、春は、生命と希望を象徴しています。それにもかかわらず、近い将来、関心を刺激する、東京で最近続いている、2つの事件について、私は言及したい。

一つには、期限切れのビザで日本に住んでいる人々の一群が、日本国民に支えられて、東京の入国管理局の前で5日間の座り込みを行っています。彼らはビザの切れた不法長期滞在者を、チャーター便で国外追放するという、政府の政策に抗議しているのです。公式の報告書によると、3,030人を超えるビザ違反者が今年、強制退去を命じられました。ビザ違反者の数は、およそ62,000人です。公式な記録は、数だけを考慮しており、毎年350人を強制退去させる計画を作っています。しかしその冷淡な数字の陰には、子どもたちや、法的な制約や病気のために働くことのできない人たちがいます。

イエズス会社会司牧センターの活動を通して、私たちがしばしば経験するのは、実際の法的な障壁という隠れた迫害によって、こうした人々に押し付けられている恐怖とストレスです。実際の座り込みを指揮している人たちの願いは、彼らの声が入国管理局のトップに聞こえることです。しかし実際は、英語のメディアを除いて、日本のマスメディアは、彼らの叫びにまで聞く耳を持ちません。

他方で、5月という月は、韓国の店と韓国人の人口が集中していることで知られる、東京の中心地域で起きた一連の腹立たしい事件を、見続けています。その場所とは、東京の新大久保のことです。右翼によって煽られた抗議者たちとは、韓国人と中国人を、かの地区だけでなく国全体に存在するのを反対する、日本国民です。韓国人居住者を「ごきぶり」と描写するような、差別的で、けんか腰の言葉遣いを使用すること、そして彼らを根絶しようと煽ることが、直近の数か月にわたって続いているのです。私たちはインターネットを使ってそれを発見することができます。国家主義者たちのグループは、そうした動きの背後にいるのです。

言論の自由は、当然、それを助長することができます。壊れやすい日本人と韓国人、北朝鮮の流動的な状況と、中国との歴史的関係、そして議論の的になっている中国と韓国に対する島を巡る領土問題、これら全ては、近い将来、より一層関心を増します。今日の日本国民の憎むべき抗議は、どんな相互理解も育てないし、反外国人運動の方へと発展してしまいます。ある人たちは、差別を煽ることを禁止する法律を課せば、問題は解決するだろうと考えます。解決は、それほど簡単ではないです。和解へと向けた態度の変化がどうしても必要です。イエズス会社会司牧センターは、実際的な行動のための積極的な意見を聞きたい。私たちは提案を欲しています。